「ウイスキー」や「ブランデー」と聞くと、私にとってはどちらも大人の落ち着いたおじさんが嗜むものという印象があります。琥珀色で、氷を浮かべたりして、「カランカラン」っていう音が聞こえるようで、バーのカウンターで飲まれていそうです。

でも、このふたつには明確な違いがあります。それはずばり、原料の違いです!

ウイスキーとブランデーの違いは、原料の違い!

ウイスキーの原料は、大麦をはじめとした穀物を使用して作ります。より詳しく言えば、「モルトウイスキー」と呼ばれるウイスキーは大麦のみを使い、「グレーンウイスキー」と呼ばれるものは大麦に加えてとうもろこしや小麦のような穀類を中心に作られます。

一方のブランデーは、ぶどうなどの果物を使用して作ります。ここに違いがあります。そして、この違いによって製法も異なり、イメージは似ていたとしても、全く別のお酒になって楽しまれるのです。

これだけです!

もう少し、他のお酒と絡めてややこしい説明をしてみましょう。

お酒というのはまず、穀物のデンプンや果物の糖を発酵によってアルコールに変える段階と(一旦細かい説明を省いています)、そのあと蒸留してアルコールを強くする段階とがあります。最初の段階で止めると醸造酒になり、最後まで行くと蒸留酒です。

原材料に米を使った醸造酒が日本酒で、大麦を使った醸造酒がビールで、ブドウを使った醸造酒がワインになります。いずれも、基本的にはアルコール度数が低めのお酒ですね。

そして、それぞれを更に蒸留させると、米からは米焼酎が、大麦からはウイスキーが、ブドウからはブランデーができます。

本当に、もの凄〜く雑にですが、イメージしやすいように説明するとこんな感じです。

補足:こう書くと、焼酎をよく飲む方にとっては「あれ、じゃあ麦焼酎は?」という疑問も出てくると思います。麦焼酎は、やはり大麦が原材料ですが、最初の醸造の段階で米麹を使って発酵させる(つまりアルコール化させる)という点に特徴があります。大麦を原材料にして、日本酒のようにアルコール化させてから蒸留します。同じ大麦を使っても、大麦の麦芽で発酵することによって、【ビール(醸造酒)→ウイスキー(蒸留酒)】の流れになります。

ウイスキーとブランデーの製造工程の違い

なんとなくの印象や見た目が似ていることから、わかりやすく「ウイスキーとブランデーの違いは原料の違いだ」と言ったわけですが、原料が違うということは、もうお酒として全く異なるということ。

「ワインとビールの違いは?」と聞くのが愚問なくらいのことではあるのです。でも、せっかくですのでもう少し深く理解してみたいと思います。

ウイスキーとブランデーの違いは原料です。原料が違うということは、製造の過程にも違いがあります。

ウイスキーは大麦や穀類を発酵させて作られる、というのは既に述べたとおりです。そして、お酒をお酒たるする「アルコール」という成分は、何らかの菌の作用によって、原料の中の糖分をアルコールに変換する事によって生成されます。

さて、穀類に沢山糖分が含まれているかというと、答えは「ノー」ですね!勿論、一定の条件下で特定の品種であれば、糖分を含んだ甘いとうもろこしなんかも食べられますが、基本的には麦もとうもろこしもデンプンとして栄養を蓄えます。

デンプンをお酒に変えるためには、まずデンプンを一度糖に変換し、変換した糖を更にお酒に変換するという二段階の工程が必要になります。

ウイスキーの場合、デンプンを糖に変換する際には麦芽を使います。麦芽とは、芽を出した大麦のことです。麦の中には元々、「アミラーゼ」というデンプンを糖化する成分が含まれているのですが、そのままでは不活性なので働いてくれません。そこで、麦から強制的に芽を出させて麦芽にすることで、このアミラーゼが活性化するのです。

こういった行いによってデンプンを糖に変え、ここからやっとアルコール化に向けた作業に移れるのです。これがウイスキーの製造工程の前半部分。

一方ブランデーです。ブランデーはぶどうなどの果物を原料とします。果物には糖分が豊富に含まれていますよね!そのままでOKなので、アルコールにするにはもってこいです!

つまり、製造工程におけるウイスキーとブランデーの違いは、醸造の際にすでにひと工程分「糖化する」という部分がブランデーにはないんですね。これが製造工程上の違いです!

まとめ

このように、段階ごとに細かく見ていくと結構ややこしくそれぞれに枝分かれする分岐点があり、「ウイスキーとブランデーの違いはひとつだ!」なんていうのはとても横着なんですが、ざっくり説明しなければいけないときには、「ウイスキーとブランデーはそもそもぜんぜん違うお酒で、原料からして大麦を使うウイスキーと果物を使うブランデーという点が全然違う!」と説明すれば良いのかなと思います!

ちなみに両者の共通点は、いずれもアルコール度数は40度前後で販売される蒸留酒だという点です。ロックやストレートで飲まれる点も同じですね!

参考:
糖とでんぷん | みんなのひろば | 日本植物生理学会
ビールの原料にはなぜ麦芽(モルト)が使われるのか – Bier Reise
ウイスキー – Wikipedia
ブランデーとウイスキーの違いは何か? | ブランデーダディ