貴腐ワインというお酒があります。これが非常に変わったワインで、甘さが特徴のワインになります。甘いワインといえば他にもアイスワインやポートワインがありますが、貴腐ワインには貴腐ワイン独自の作り方があります。

なぜそんなに甘くなるのか?世界三大貴腐ワインとはなにか?

このページでは、貴腐ワインの特徴についてご紹介します。

「貴腐」とはなに?

そもそも「貴腐」という言葉は、殆ど他で聞きませんよね。貴族の「貴」に「腐る」と書くわけですが、正直あんまり美味しくなさそうな字面だと思いました。食品にあんまり「腐」という文字は使われませんからね。・・・豆腐くらいかな?

貴腐というのは、ぶどうの皮が菌に感染することで水分が蒸発し、干しぶどうのようになり、糖度が高まり、香りが強くなる現象のことを言うのだそうです。簡単に言えば、ぶどうが特別な方法で腐るということですね。

そのメカニズムとしては、まずボトリティス・シネレアという菌が葡萄の皮の表面を破壊します。皮がなくなると果汁の水分が蒸発します。すると相対的に糖分だけが果実に残り、濃縮されるのです。

このようにして出来た、乾いたぶどうのことを「貴腐ぶどう」と言います。

菌というのは生き物ですから、簡単にコントロールできるものではありません。菌を付着するタイミングと方法を逃さないようにやるわけですから、手間がかかります。

貴腐ワインとは?

そんなぶどうで作ったワインが、貴腐ワインです。

世界には三大貴腐ワインというものがあります。フランスのソーテルヌ(Sauternes )、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese )、ハンガリーのトカイワイン(Tokaji)です。

世界三大貴腐ワイン

ソーテルヌとは、南フランス西側にあるガロンヌ川の西岸にある村の名前です。このソーテルヌと、周辺のボンム、フォルグ、プレイニャック、バルザックの合計5つの地域のみで製造されるのがこの「ソーテルヌ」という貴腐ワインです。

トロッケンベーレンアウスレーゼは、日本人にとっては非常に覚えにくい長い名前です。Wikipediaによると「乾いた果粒を選り摘んだ」という意味だそうです。製造に適した天候の年にだけ造られるワイン。

トカイワインは、ハンガリーのトカイワイン地区という場所で作られる貴腐ワインのことです。この地区は、秋から冬の間に霧が発生し、その霧がぶどう畑を包むことでその湿気によって貴腐ぶどうを造る菌が繁殖するのだそうです。

日本の貴腐ワイン

実は、日本でも貴腐ワインが造られています。

時は1975年、場所はサントリーの登美の丘ワイナリーだそうです。登美の丘というのは、山梨県の甲斐市にあるワイナリーです。他にも幾つかの貴腐ワインが日本で造られています。

貴腐ワインのマリアージュ

貴腐ワインは非常に濃厚で甘い、とろっとしたワインですので、その味に負けない濃厚な食材がペアリングに適します。その意味では、まずチーズ類です。特にブルーチーズは味も匂いも強いですが、それゆえに貴腐ワインにバッチリ合います。

あるいはデザートワインとして、それ単体で食後にいただくというのも良いのではないでしょうか。口の中をさっぱりさせてくれるものではありませんが、幸福な余韻を残してくれることでしょう。

参考:
ドイツワイン – Wikipedia
「ドイツワインについて/ドイツワインとは?」 ◇ワイン豆事典◇ hayanoya*style